だから俺と、付き合ってください。
「綾乃〜!教室戻るよ〜!」
「うん……!!」
体育の授業が終わって、ユカと教室に戻る。
渡り廊下を歩いて本校舎に入ると目の前に偶然にも修二先輩たちグループがいて。
「あっ……」
「綾乃」
私を見つけた先輩がそう私の名前を呼ぶ。
ちょっとごめんと、友達に声をかけるとこちらに歩み寄る先輩。
付き合っていた時に欲しかったその眼差しに気まずくなってまばたきをゆっくり繰り返した。
「体育終わり?」
「はい。球技大会の練習で……」
「そっか!明日どこで出るの?」
「バスケ、だよ」
「バスケか!ちなみに俺もバスケ」
先輩もバスケなんだ……。
先輩は運動神経がいいから。
きっとサッカーじゃなくても、かっこよくやって魅せるんだろうなぁ。