だから俺と、付き合ってください。



……ほんとは、そうなのかもしれない。


清瀬くんが好きな子がだれか知らないけど、嫉妬してる。


こんなに素敵な人に想われてる女の子が羨ましい。



「藤田かわいいな〜〜」


「そうやってからかうのやめてよ」


「ははっ!ごめんごめん。ついね。でもかわいいと思ってるのはほんと」


「……っ……」



本気でやめてほしい。


……好きな人にかわいいなんて言われて、嬉しくないわけない。


あぁ、顔が熱い……。



「あっ、ふたりともおはよう!」



校門を抜けて、本校舎の前。昇降口のところ。


たくさんの生徒の中で、ユカが私たちに向かって手を振っている。


そうだ。


昨日、先生が当日までヒミツにされている対戦表を朝にはあの場所に貼っておくって言っていたっけ。


だからみんなどのクラスと勝負をするのかを見に来てるんだ。


ランダムに選ばれた対戦相手が4クラス。
勝ち数が多いチームの優勝。


同率だった場合は勝ち点で勝敗が決まる……らしい。



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