だから俺と、付き合ってください。



「先輩、おはようございます!」


「……おはようございます」


「うん、ふたりともおはよう」



ユカと清瀬くんの挨拶にもニコッと笑って返した先輩。


……やっぱり先輩は爽やかだなぁ。


清瀬くんも爽やかだと思うけど、ジャンルが違うっていうか。


先輩はみんなの間を颯爽と駆ける風みたいなイメージだけど。


清瀬くんは……名前の通り、太陽。
みんなを明るく照らし続ける、太陽。


うん。そんな感じ。



「今日の球技大会、お互いがんばろうな」


「はい!がんばりましょう!」


「時間が合えば応援に来てくれる?」



えっ……。


先輩の言葉に目を見開く。


先輩のすぐそばにいる清瀬くんが視界に入って、心が揺れる感覚がした。


唾を飲み込んで、目線を下げる。



「はい……。行きます」


「ありがと。じゃあ待ってるからね」



複雑な心境のまま、うなずいて見せると先輩は一度だけ清瀬くんを見てから私たちに背を向けて行ってしまった。


清瀬くんの前で、先輩とこんな約束……。


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