だから俺と、付き合ってください。
「先輩ってまだ藤田に気があんの?」
「えっ……?」
清瀬くんの言葉にぼうっとしていた私はそんな声を出す。
彼の表情がすこしこわばってるのは気のせい……?
声も、心なしかトゲトゲしているような……?
「たぶん……そう、だと思う」
「ふぅーん?」
「なんで?」
「いや、別に……」
清瀬くん……?
いつもと様子が違う清瀬くんを首をかしげて見ると、それに気づいた清瀬くんがニコッと笑って。
「なんでもないよ!教室に行こう!」
「う、うん……?」
なんだったんだろう今の。……よく、わかんない。
すこし考えごとかなにかをしていたような真面目な表情。
でも普段の清瀬くんに戻ったから、私たちはそのまま自分たちのクラスに向かい、清瀬くんとは教室の前で別れた。
「綾乃、最近太陽と仲良いよね?」
「えっ……」
制服の下にあらかじめ着てきていた体操着姿になった私にユカがニヤニヤしながらそんなことを言って来た。