だから俺と、付き合ってください。



「ちっ、違うよ……!ただ乗ってる電車が同じだから、その……っ」


「それだけー?綾乃は太陽のことどう思ってるの?太陽モテるじゃん。付き合っちゃえばいいのにー」



ユカの質問に言葉がつまる。


どう、思ってるって……。


それは……

好き、だけど……。


でも清瀬くんはユカのことが好きだから……っ。



「っ、ただの友達だよ。付き合うとか……あり得ないしっ」



できるだけ平常心で言ったつもり。


動揺した自分を隠すように、できるだけ明るく笑って。



「そっか。じゃあ私が太陽と付き合っちゃってもいいの~?」



ユカの言葉に、血の気が引いていくのがわかる。


な、んで……そんなこと。


清瀬くんとユカが付き合うのなんて、イヤだよ。


自分でも都合のいいこと言ってるのはわかってる。


それでもイヤだって、心が叫んでる。


ダメって。イヤだよって、言いたい。


なのに……。



「別に……私には、関係ないし……」




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