だから俺と、付き合ってください。
地味な私たち下級生と、人気者の先輩。
どう頑張っても、視界にすら入れないと思う。
……なんて、わかっていながら、私はいつも探していた。
登校して来てすぐや、授業中の校庭、移動教室で先輩のクラスの前を通る時とか、いつでも。
気づいたら私は先輩を探していた。
見かけたらラッキー!って。
気のせいかもしれないけど、目が合ったら死ぬんじゃないかって思うぐらい舞い上がって。
……ずっと、私の片想いだった。
「……頑張れ、先輩」
部活も。
放課後になると修二先輩目的のファンの女子たちに紛れて、先輩の応援をした。
汗をかく修二先輩が、
一生懸命にボールを追いかける先輩が、
ストイックに練習する姿が、
すごくかっこ良くって、すごく好きで。
見ていられるだけで、いいって、そう思ってた。
先輩から私が見えてなくても、いいって、陰から見てるだけで幸せだった。