だから俺と、付き合ってください。
ニヤッとなにかを企むようなそんなイタズラっ子のような表情の先輩。
先輩……?
「ご褒美くれない?」
「ご、ご褒美?」
「ん。俺の言うこと、ひとつだけ聞いてくれない?」
「……?」
先輩の言うことを?
「なんですか?」
「まだ内緒。優勝できたら言うから」
ふっと先輩がこぼす笑み。
そして私の頭をポンポンとなでると、クラスメイトの方へ行ってしまった。
うぅ……。
こういうのされちゃうと、付き合ってた頃を思い出しちゃう。
まだ付き合いたてで、先輩との時間も充実していた頃。
先輩はよく、私の頭をなでてくれた。
それが先輩の愛情表現なんだって思ったらなんだか嬉しくて……。