だから俺と、付き合ってください。


ひとつの体育館でいくつもの試合が行われているなか、私の転倒する音なんてすごくちっぽけなこと。


でも、ちょっと待って!!



「……っ……」



いったいなんなのあの先輩!!


今、私のこと完全に押したよね!

こんなことされなきゃいけない筋合いないんですけどっ!?



「綾乃っ、大丈夫?」



転んだ私に気づいたユカが声をかけてくれた。

私は「うん!」と頷いて立ち上がろうとした時だった。


ーーズキッ!


鈍い痛みが、足首に響く。


ウソ……でしょ。

もしかして、転んだ時ひねった?


できるだけ平常心で、苦しい顔を隠す。
チームに迷惑をかけたくないから。


< 163 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop