だから俺と、付き合ってください。
なにか言い返したいのに言葉が全然出て来てくれなくて、お魚のように口をパクパクさせることしかできない。
そして清瀬くんが私に一歩一歩ゆっくりと近づいて来ていたその時。
「綾乃?」
清瀬くんのさらに後ろからした声。
そちらに目を向けると、こっちに向かって歩いて来ていたのは修二先輩だった。
「どうかした?」
首をかしげる先輩に、清瀬くんが私をまるで隠すように真正面に立つ。
き、清瀬くん……?
「先輩」
「ん?」
「俺、藤田傷つけるなら先輩でも容赦しないっすから」
「え?」