だから俺と、付き合ってください。



「あ、あの……」


「突然ごめんね。いつも練習見に来てくれてる子だよね?」



……えっ、知っててくれたんですか!?


じぃっと私を見る先輩の視線にたじろぐ。


そんなに……
見つめないでくださいぃ……っ。


かあぁっと熱く赤くなる顔。


やだ……!見ないでくださいぃ……!


いや、やっぱり、見てもらいたい。


どっちだ。



「……そ、そうです……っ」


「やっぱな!いやぁ、話してみたいって思ってたんだ。一年生だよね?」


「はい……!」



遠い存在だった先輩が、私のことを知っててくれてたなんて。


感激すぎて目眩がしそうだ。


そして私の目を見て、笑ってくれてる。話してくれてる。


なんか、もう、それだけで私……。


幸せすぎて、泣きそうで、死にそう。


見てほしいのに、見て欲しくない。


もっと笑っててほしいのに、恥ずかしい。


話しているのに、浮足立ってなに話してるのかわかんない。


私ちゃんと返事できてる?


おかしいこと言ってないかな。



私、先輩の目にどんな風に映ってる?



ちょっとでもかわいく見えたいのに。



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