だから俺と、付き合ってください。



清瀬くんの体操着をつかむと目をギュッと閉じた。


伝えたい……。

好きだって、言いたい……。


清瀬くんに好きな人がいても。

叶わなくても。


もう、我慢できない。
心の中に秘めておくことが、こんなにも辛い。



「藤田、大丈夫か?」



保健室に着くと、清瀬くんが私をイスに降ろしてくれた。



「う、うん……っ」



胸が、ドキドキしてる。


開いている窓から風が舞い込んで来てカーテンがふわり揺れる。



「湿布どこかなぁー?」


「…………」


「あっ、あった!ほら!」



見つけた湿布を私に向けて心から嬉しそうに笑う清瀬くん。
純粋で、真っ直ぐで、屈託のない清瀬くん。


惹かれていく。どんどん。


清瀬くんの魅力に引き寄せられてる。


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