だから俺と、付き合ってください。
12*夏休みの約束
「あっつ〜い!」
「もう完全に夏だね」
「だね」
クラスの女の子たちの会話に、頬杖をついて窓の外を見る。
……もう季節は夏か。
1年前の今頃は、修二先輩に片想いしてたっけ。
毎日どうにかして先輩の視界に入ろうと必死になって、放課後は必ずサッカー部の応援に行った。
そんな日々が、今ではすこし懐かしい。
そして最近の私の悩みといえば……。
『今年の球技大会、バスケの部の優勝は3年1組ですっ!』
先輩、本当に宣言して通り優勝しちゃって。
『よっしゃあああ!』
大声で喜ぶ先輩たちのクラスを見ていたら、先輩と目が合って。
ニッコリ微笑まれた。
ーー『ご褒美くれる?』
先輩のあの時の言葉を思い出す。
……本気なのかな?