だから俺と、付き合ってください。



再び顔の前で両手をそろえる清瀬くん。
その必死な姿に、ちょっと意地悪したくなってわざとらしくため息を吐いた。



「わかったよ、清瀬くん。一緒に勉強しよ」


「ほ、ほんとか!?」


「うん!任せて!」


「藤田!マジでサンキュー!」



そう言われると同時にガシッと掴まれた手にドキ!とした。


清瀬くん……!手……!


そう思ったら今度は手をすぐ離されてしまった。


心の底から嬉しそうに笑って、ひとりで変な踊りまでし始めた清瀬くんにすこしポカーンとしたあとに大爆笑してしまう。



「はははっ。清瀬くんってば舞い上がりすぎだし!」


「そう言う藤田は笑いすぎだぞー」


「ふはっ、だって、おかしいんだもん」



涙がでるほどおかしい。

お調子者の清瀬くんの踊り、最高すぎる。



「じゃあ、また!」



満足したように教室に戻っていく彼を見送ってトイレに向かっていたことを思い出して向かった。



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