だから俺と、付き合ってください。




***



「じゃあねー綾乃」


「うん、部活がんばってね」


「ありがと!また明日!」



放課後になってユカと教室でバイバイして廊下に出た。

隣のクラスの前では清瀬くんがクラスメイトたちと楽しそうに話し込んでいて。



「あ、じゃあ俺もう行くわ」



私の存在に気づいた清瀬くんが友達たちにそう言うと私のもとへと歩いて来た。



「藤田先生、今日はよろしくお願いします」


「うん。図書室でいいかな?」


「図書室がベストかな。うし、行くべ」



歩き出した清瀬くんについて歩く。


この何ヶ月かで私と清瀬くん、グッと距離が縮まった気がする。


話したこともなかったのに。
同じ電車に乗って通っていたことだって、知らなかった。


お互いのこと、本当にまったくと言って知らなかった。


なのに私は今、清瀬くんに恋をしている。


不思議。
恋するきっかけって、どこに転がってるかわかんないんだなぁ。



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