だから俺と、付き合ってください。
叶うことのない恋、だけど。
「清瀬くん」
「はい」
「何度言えばおわかり頂けるのかな……?」
「ひぃい!」
机をバン!と叩きたい衝動を抑えてくっとこらえる。
同じミスを繰り返して間違えてるよ。
清瀬くん、本当に勉強苦手なんだね。
「藤田がこわい……」
「なんて?」
「いや、なんでもございません!」
でも、一生懸命やってるのはわかる。
夏休みのライブ、本当に楽しみにしてたんだろうなぁ。
前は私の苦手な運動の練習に付き合ってもらって、今度は清瀬くんの苦手な勉強に付き合って。
お互いの苦手なことを、お互いの得意なこと。
それぞれ全然違って。
だけど好みは似てる。
笑のツボも同じ。
最近気づいたけど、ふたりいつも同じタイミングで笑ってる気がする。
ーー「俺たち付き合ったら上手くいくかもな」
この前の清瀬くんの言葉を思い出す。
……だったら。
私じゃ、ダメかな?清瀬くん。