だから俺と、付き合ってください。
なんで私にライン教えてなんて言ったんですか。
なんで名前聞いたりなんかしたんですか。
なんで、話しかけてくれたんですか。
毎日一生懸命に部活の練習頑張る先輩を応援して、
陰から見てるだけでいいって、そう思ってた。
たまに廊下ですれ違って、
たまに目が合って、
それだけで、良かったのに。
もう、戻れないよ……。
それでいいと思ってた私には。
【今日も部活来てくれるの?】
送られて来たラインのメッセージに返信することは、なかった。
少しずつ近くなって来ていたキョリに、胸が痛いよ……。
欲張りになってた。
もっと先輩と近づきたいって。
もっと先輩の瞳に映ってたいって。
ねえ、先輩、好きなこがいるなら、私にラインしなくていいよ。
ムリに、相手してくれなくて、いいのに。
だって、迷惑だよね?
好きなこがいるのに、私なんかが周りにいたら。
邪魔でしょ?
好きな人の障害物になんか、なりたくないよ……。