だから俺と、付き合ってください。



『……っ……』



私は何も言うことができなかった。


苦しくなって、切なくなって、その場を駆け足で通り過ぎた。


……もう先輩と会えても嬉しいって感じない。


会いたいと思うよ。


話したいって思ってるよ。


だけど苦しいんだ、本当は。


部長やってて忙しいのは、わかる。


部活が終わって塾にも行ってるしね。


だけど、私は寂しいんだよ。


先輩。


私はあなたの中で何番目に大切な存在ですか……?


後回しにされ続けたら、私の心だって冷えていくんだよ。


愛されたいと思うから。


せっかく付き合ってるのに、こんなんじゃ意味ないよ。


時間だけが過ぎて、私たちにはなにも残らない。


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