だから俺と、付き合ってください。


そんなことが頭をよぎったりする。


だけどそんなことを考えてしまう自分にも嫌悪感がして、イヤなんだ。



【先輩、別れましょう】



ラインを開いて打った文字。


まだ、送信はされていない。


というか、送る気は……ない。



「…………はぁ」



ため息を吐いて、その文字たちを消した。


ベッドに横たわると無意味に天井を見つめた。


……送れるわけないじゃない。


だって【わかった】って返信が来そうで、怖いんだもん。


もう、先輩の気持ちがよく見えない。


私の気持ちすらも、よく見えないよ。


別れたくないけど、このままじゃダメだって思ってる。


このままじゃイヤだ。


答えが欲しい。


私たちはもうダメなのか、それともやり直せるのか。


だけど、先輩を目の前にするとどうしても何も言えなくなる。


いざとなると答えを聞いて、繋がりが消えるのがイヤなんだ。


まだ先輩と繋がっていたい。


たとえ先輩が私のことをもう好きじゃないとしても。
私が先輩のことを前ほど想っていないとしても。


終わるのが、イヤだ。


なんなんだろう、この気持ちは。


モヤモヤしてしょうがない。


……あぁ、もうヤダ。


辛いよ、先輩……。


涙が出てくる。


胸が、切ないよ……。


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