だから俺と、付き合ってください。
……もう、先輩のことなんて、忘れてしまいたい。
ーーピリリリリッ。
あっ……。
いつものアラーム音で目が覚めて、いつの間にか眠っていたことに気がつく。
カーテンの隙間から漏れて来る朝日が眩しい。
身体がダルいや……。
泣きながら寝ちゃったのかな。
「ヒドイ顔……」
洗面台の鏡に映った自分の顔に苦笑い。
目は腫れてるし、顔色も悪い。
ポーッとして頭もうまく働いてくれない。
モタモタしたせいでお母さんの朝ごはんを食べ損ねた。
最悪だ……。
「行って来まーす」
空腹のまま家を出た。
ああ、大好きなお母さんのスクランブルエッグ食べたかったのに……。
なんて思いながら電車に飛び乗った。
「藤田!」
ふぅーと息を吐いた私の肩を軽く叩いたのは清瀬くんだった。
席はまんべんなく座られていて、いつも座れない。
ドア付近の手すりに掴まるのが、お決まりなんだけど。