だから俺と、付き合ってください。
空が大きくて、綺麗に見える。
街も、見下ろせるような、そんな丘で清瀬くんとふたり肩を並べている。
「いい場所見つけたね」
「俺ら運良いんじゃね?」
清瀬くんと顔を見合わせるとクスクス笑いあった。
そしてベンチに腰を下ろすと待ちに待った朝ごはん。
……もう授業、はじまってるなぁ。
普通だったら数学受けてる時間なのに。
私たちはこんなステキな場所でご飯を食べてる。
そう考えると、とても不思議な気分。
ついこの間まで話したこともなかったのに。
こうして一緒に学校サボって、こんなきれいなところでご飯食べてるんだもん。笑っちゃうよね。
現実なのに、非現実的な感じがして、なんとも言えない。
「なに笑ってんのー?」
「んー、なんか楽しくて」
「さっきから藤田、楽しいしか言ってないよ」
「ほんと?でも本当に楽しい」
昨日の夜、泣くほど悩んでたのが、ウソみたいに楽しいよ。
「ありがとうね、清瀬くん」
「ん?なにがぁー?」