だから俺と、付き合ってください。
「そっかぁ……やっぱり藤田も辛い恋してんだなぁ……」
清瀬くんの声が優しくて胸がつまる。
ギュッとして、涙を誘った。
……我慢しなくちゃ。
泣いたら、困らせちゃうでしょ?
「俺はさ、好きなコには笑っててほしいって思うタイプだから、先輩の気持ちはよくわかんねぇけど、でも、藤田が信じたいなら信じろよ。とことん。んで、言いたいことはぶつけてけ!会いたいとか、寂しいとか。そうゆーの、受け止めるのが男だからさ!」
「……っ……」
「それで引く男なら藤田のこと、幸せにできる器のでけぇー男じゃなかったってだけだし。受け止めてくれたら、そのまま甘えればいいと思よ?でもさ、それでもダメで辛いときは俺に言え。な?俺も男だし。とにかく我慢すんな」
清瀬くんの男らしい言葉に我慢していた涙がポロポロ出て来る。
「女のワガママを、受け止めるのが男ってもんよぉ!ハハハ!」
豪快に笑ったあと、ふっ……と、こぼすような笑みを浮かべて私の頭を撫でる清瀬くんの大きな手から優しさが流れて来るように、胸にじんわり温かいモノが溢れる。
なんだろう、これ……。
温かくて、優しくて、大切にしたくなるようなエネルギー。
私、この感情を知ってる。
でも、まさか、ね。