だから俺と、付き合ってください。
そして『俺と藤田はなんもねぇーし、ただの友だちだし!!』と、清瀬くんの言った言葉にもショックを受けている自分に気づいた。
だから、なんでよ、バカ……。
その通りじゃん。
私と清瀬くんは、ただの友だちだし、なにもないじゃない。
「あ、綾乃〜!やっと来たしっ!」
その可愛らしい声に視線を前に移すと、ユカがこちらに走って来た。
そして「ありゃ、また太陽と一緒?」と、ニコニコしている。
今かな、別れるなら……。
「じゃあね、清瀬くん」
「ああ、うん……!じゃな!」
清瀬くんの笑顔を見届けて、ユカのとなりに並ぶ。
……今日は、ありがとう。
そう心の中で呟いてユカと二人で自分のクラスである1組に向かった。
チクチクする胸の痛みをそっとこらえながら。