だから俺と、付き合ってください。
「私の名前、知ってるの?」
「あったり前じゃん!あの先輩と付き合ってんだから!」
あぁ、そっか……。
そうだよね。
私はしょせん、先輩のオマケだよね。
「ん?なんか俺まずいこと言った……?」
「……ううんっ!そんなことないよっ!」
無理やり笑顔をつくって見せる。そんな私を見た清瀬くんが不思議そうな顔で首をかしげている。
……秋田、修二先輩。
私の、彼氏。
この学校の生徒なら誰でも知ってるぐらい、有名人。
サッカー部のエースで、おまけに顔もイケメンで、優しくて。
自慢の彼氏。
……だったはず。
だけど部活と勉強で忙しい3年生の先輩とは最近まともに連絡すら取れていない状態。
LINEは既読されても、返信ナシ。
電話は出てさえくれない。
デートも、今年の初詣が最後。
もう4月も終わりそうだっていうのに……。