だから俺と、付き合ってください。



でも、どうして今さらそんなこと思ったんだろう?


今さら。


ねえ、遅いよ、先輩。


来るの、遅すぎだよ……。


私は、ずっと、待ってたのに。



「さっきの男の子誰?仲良いの?」


「え?……うん。清瀬くんっていうの。乗ってる電車が一緒で、話すようになった……」


「へぇーそうなんだぁ」



隣を歩く先輩の方をあまり見れない。


久しぶりすぎて、どんなふうに話せばいいのかわからない……。


私たち、終わってなかったんだ。



「電車の時間、変えたら?」


「え?」


「清瀬くんとあんまり仲良くしてほしくない」



ズバッと言った先輩に、視線を下に向ける。


そして握りしめた手にチカラを入れた。


……意味、わかんない。


ずっと私のこと放置してたのに、今さら迎えに来て清瀬くんと仲良くするなってどういうこと?


そんなの、虫がよすぎる。



「ずっと先輩からライン来るの待ってました」


「…………」


「ずっとずっと待ってたけど来なかったよ!?なのに、久しぶりに会ったと思ったらなに!?構ってくれないのに、束縛はいっちょまえにするんですね……!」



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