だから俺と、付き合ってください。



深く息を吐いて、学校までの道を急いだ。


そしてたどり着いたザワザワした学校内。


廊下を進んでとなりのクラスを覗いて見たけど清瀬くんの姿はなかった。


どこに行ったんだろう……。


仕方ないと自分のクラスの方へ向かうと目に入った人物に足を止める。



「はははっ!」


「おまっ……マジで言うなよ!?」



楽しそうな、二人の、笑い声。


清瀬くんと、ユカ。


うちのクラスの前で、話してる。


清瀬くんは顔を真っ赤に染め上げて、ユカは終始笑顔。


あ……。


肝心なこと忘れていた。


清瀬くんには好きな女の子がいるんだ。


いつも笑顔で、可愛い女の子。


それは……ユカ?



「…………」



楽しそうに立ち話にふけるふたりから目が離れない。


前に清瀬くんの好きな子を考えている時にも同じことを考えたっけ。


ふたりとも、あんなに楽しそう……。


清瀬くんは顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにしている。


明るくて笑顔がステキなふたり。
似た者同士のふたり。


……とってもお似合いだね。


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