だから俺と、付き合ってください。
この間ぶりの、先輩。
あのケンカ以来顔を合わせてなかったから、すこし気まずい……。
「ちょっと話せないかな」
「うん、私は大丈夫。部活はいいんですか?」
「ん、ちょっとなら平気」
先輩の目が笑って細くなる。
うなずいて先輩について行くと、たどり着いたのは屋上。
温かい日差しが私たちを温かく照らす。
放課後の学校で二人きりになれる場所なんて、ここぐらいしかない。
「この前綾乃が言ってたこと、俺なりに考えてみたよ」
「うん……」
屋上を囲う柵にヒジを乗せていた先輩が真剣な顔で私の方に向きあった。
そんな先輩を私はジッと見つめる。
「ごめんな。俺、自分のことで精一杯で綾乃のこと大事にできてなかった。マジで、反省、した……」
「…………」
「たくさん寂しい思いさせてた。綾乃に愛想つかされてもおかしくないと思う。でも俺はやっぱり綾乃が好きだし、失いたくない。
……もう一度、やり直せないかな」