だから俺と、付き合ってください。

このまま付き合っていたら、もしかしたら先輩への想いが彼への想いを上回るかもしれない。


だけど、こんな中途半端な気持ちで先輩の気持ちを受け取るのは、気が引ける。


先輩に申し訳ない。


はじめての恋だったから。


はじめて、こんなに誰かを好きになれた恋だったから。


私は誠実でありたい。



「ごめんなさい、先輩」



ごめんなさい、本当に。



「私、先輩の他に好きな人がいます」



一途にあなたを待っていられなくて、ごめんなさい。


寂しさに勝てなくて、ごめんなさい。


好きな気持ちが、揺らいでしまったこと、本当に申し訳なく思ってるよ。


先輩だけが悪いわけじゃない。


こうなる前に私がしっかりと自分の気持ちを伝えることができていたら……。


もしかしたら、結末は変わっていたのかもしれないね。