だから俺と、付き合ってください。
*
「あ……」
部活に行った先輩を見送って、自分の下駄箱の方へ行くと、下駄箱前で清瀬くんとばったり鉢合わせしてしまって驚いた。
……なんで会っちゃうんだろう。
気まずい空気が流れる。
……あの日以来、朝も会わなかったのに。
というか、会いたくなくて電車の時間をわざと変えたんだけど。
「今、帰り……?」
「うん、そうだよ。清瀬くん遅いね」
「お、俺?俺はやり忘れてた英語の課題やってたんだ〜。先生に捕まっちまってさぁ。マジやんなるよなぁ!」
アハハ!と豪快に笑う清瀬くん。
……気を使わせている。
この前のこと、悪いのは、私のほうなのに。
放課後の独特の空気。
いつもより静かで、部活生のかけ声とブラスバンドの練習している音が遠くから聞こえるくらい。