だから俺と、付き合ってください。
知らないよね。
私がそんなこと考えてるだなんて。
清瀬くんの、笑顔に、私は助けられた。
そして惹かれた。
「あー、マジでよかったぁ。嫌われてなくて……」
「そんなに心配だったの?」
「心配するよ」
そう言いながら清瀬くんがポケットに手を突っ込んで「あれ?」と、首をかしげた。
「あれ、スマホがねぇ。あー、教室かぁ……」
「あーあ。バカだねぇー」
「うっせぇ!じゃあな、気ぃつけて帰れよっ!」
「うんっ、ありがと。じゃあねっ!」
慌てたように清瀬くんが階段を二段飛ばしで登って行く。
その後ろ姿が可笑しくてクスクス笑ってしまう。