生きることの意味【完結・加筆完了】
「なるの?ならないの?」
呆然とするあたしの答えを催促する彼。
月明りに照らされる真っ赤に燃える髪の色と、相まって。
彼の不敵な笑顔が背筋をぞくりとさせた。
またじりじりと、あたしと距離を詰める。
フェンスに捕まっているあたしにもちろん逃げ場なんてない。
ギリギリまで追い詰められたあたしは。
「だ、だって今日初めて会ったじゃん!
か、かれ、彼氏だなんてむ、無理でしょ!」
必死に否定しようと、言葉を発したのが間違いだった。
どもるわ、裏返るわ。
最低…。
また、彼は目をまん丸と見開いて、大袈裟に笑う。
恥ずかしくて、顔から火を吹きそうだ。
あたし、さっきまで死のうとしてたのに。
何、こんな感情激しくなってんだろう。
むすっとするあたしに、彼はふっと微笑むと
「ど?死ぬの、馬鹿馬鹿しくなった?」
そう、言った。