生きることの意味【完結・加筆完了】
髪の色
「どうだった?」
外に出て、体を伸ばすとあたしにそう尋ねる。
「なんか、凄かった」
それしか言えなかった。
あたしの返事にキョトンとすると、緋人はくしゃっと笑った。
「なんだ、それ!」
「いや、だって。凄かったんだもん」
想像以上に、あたしが生きてる世界とは違っててキラキラしてた。
緋人が真剣勝負の場所と言った意味もわかる。
それが羨ましくも感じた。
つい昨日まで死のうと思ってたあたしからしたら。
こんな世界に生きたいなって。
そうしたら楽しいのかなって。
「俺はカッコいいし?」
「調子乗んな」
「ははっ」
すぐに緋人はそういう事言うんだから。
カッコいいって思った事は絶対に言ってやらない。