生きることの意味【完結・加筆完了】
どうして、そうなったのかって事を。
「ねえ、今日から杏奈の事無視ね」
そう言ったのはいじめのリーダー格の彩加だった。
「……は?何かの冗談でしょ?」
「本当。だって、杏奈、こないだ岸君と一緒に歩いてたって南津子に聞いたよ?」
岸君?
……ああ、確かに委員会が同じで一緒に帰ったけど。
でも、途中までだったし、何かがあったわけじゃない。
「彩加が岸君を好きだって知らなかったの?それって裏切り行為だよね?」
南津子がそうやって、彩加を正当化するように言葉を続けた。
意味が、わからない。
何で?それで無視されるの?
わけわかんないんですけど。
「クラスの皆も言ってたよ。杏奈ってムカツクって」
「……何それ」
「あはは。さあね。嫌われてたんじゃない?」
「別に彩加と南津子に無視されたって、私には香奈がいるから」
「香奈?ああ、香奈。言ってやりなよ」
「は?」
そう言うと、彩加の後ろにいた香奈が彩加に腕を引かれて前に出た。
その表情は暗い。
どくんどくんと心臓が暴れ出して、うるさい。