生きることの意味【完結・加筆完了】
「そ。んじゃ、何食べようか。うーん、カップルだったらファミレスとかなんかな。
でも、俺がっつり食いたいからなー。牛丼屋とかダメ?」
「別にいいけど」
「まじ。よかったー!元カノとかに牛丼屋って言ったら、あからさまに嫌な顔されたし。
だから、杏奈にもされるんじゃね?って思ってちょっとひやひやしてた」
「そんなんでしないっつーの」
「だよな。元カノなら気にしないけど、杏奈にされたら気にしたわ」
はあ~よかったって胸に手を当ててホッとしてる緋人。
牛丼屋で嫌な顔されるって。
よく利用する世のサラリーマンに謝れってあたしは思うんですけど。
普通に美味いし。
「その元カノとはどこ行ったの?」
そう緋人に尋ねてみると、緋人は腕を組んで首を傾げる。
「どこだったっけな。あー…俺、切れて一人で食うからいいよってそこでサヨナラした気がする」
「……」
「……だ、だって」
あたしが言葉も出せずにいると、緋人は慌ててフォローしようと色々言って来た。