生きることの意味【完結・加筆完了】


「結構俺、短気。俺が撮影してる時、京香さんに何か言われたでしょ?」

「え」



そう言う緋人にあたしは目をぱちぱちとさせる。
京香さんと話してたとこ、見られてたんだ。



「杏奈の顔が曇ってたから、俺めっちゃムカついてた。
だから、テレビで絶対杏奈の事言ってやるって思ったよ、俺」

「ちょ。それってダメでしょ」


京香さん、今が大事だって言ってた。
いや、今時彼女の一人や二人いるとか公にしても平気だとは思うけどさ。


緋人が仕事よりあたしを優先なんてしないと思うし。
あたしが問題になるなんてないよね。


そこまで心配する理由がわかんないなあ。



「俺は大声で杏奈が彼女ですーって言いたいんだけど」

「それはやめてね」

「杏奈、何かされたら絶対に言えよ?
いじめられたら俺がそいつらいじめ返しに行く」

「いや、いいです」

「何で?杏奈がいじめられてるとか耐えられないけど」

「だって、あたしももう素直にいじめられてやるつもりない」

「え」


そう発言したあたしに、緋人は目を真ん丸にする。


あたしは生まれ変わるって決めたんだ。
緋人に助けられた時にそう決めたんだ。
< 123 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop