生きることの意味【完結・加筆完了】
「あたし、頑張るから。緋人と並んでも堂々と出来るように」
今のままじゃ、あたしは緋人に釣り合わない。
緋人がそう言わなくたって、周りはきっとそう思ってはくれない。
何であんな子と付き合ってるの?って言われる筈。
そんな事言わせない。
あたしが原因で緋人が悪く言われるのは嫌だ。
あたしにだってプライドはあるんだから。
そりゃ緋人とかに比べたらちっぽけだけど。
「杏奈はそのままでもいいよ。だから、無理はすんなよ」
緋人は少しだけ悲しそうに微笑むと、あたしの頭を優しく撫でた。
何でそんな悲しそうな顔するんだろう。
無理なんかしないのにな。
「それに、守るって俺が言ったんだから守らせろよ」
「でも、学校違うしなあ」
「えー。それって俺に転校しろって言ってるの?」
「いや、絶対にしないで下さい」
「あはは。したくてもそう簡単に出来ないよ」
「緋人ならなんかしそうなんだもん」
「よくわかってんじゃん」
ニヤっとする緋人。その顔は何か企んでる様で怖いです。
まさか、本当に転校するとか言わないよね?
それは無理だよね?