生きることの意味【完結・加筆完了】
「あ。牛丼屋みっけ!ほら、杏奈行くよ!」
まだ考えてるあたしの腕を掴むと、緋人が走り出した。
「ちょ、ちょっと!速い!」
「俺、お腹空いたー!限界!」
足を止める気はないらしい。
どうにかあたしは付いて行った。
牛丼屋に入ると、緋人はルンルンしながらメニューを選ぶ。
それからお金を入れて食券を買う。
えっと。
牛丼大盛りとカレーってどういう事。
おかしくないっすか。
「杏奈は何食べる?ほら、選んで」
「え。自分で買うよ」
「いいから、早く。早く!」
「え、え。え。じゃあ、えっとこれ」
あたしが押したのは牛丼並盛。
「少食だな。杏奈は」
「いや、普通ですけど」
緋人の量がおかしいだけだ。
つか、並盛って一応大人がお腹一杯になる量だと思うんだけど。
それを少食っておかしい。