生きることの意味【完結・加筆完了】
「おけ」
「ん」
緋人に携帯を返すと、あたしは画面を見て“緋人”そう、登録する。
「俺も登録したいんだけど」
「あ。ちょっと待って」
あたしも自分の連絡先のページを表示すると、緋人に渡した。
緋人は口をずっと動かしながら登録して行く。
「ん」
携帯を受け取ると、あたしはそれをカバンにしまう。
「ごちそーさま」
あっという間に食べ終えた緋人は、頬杖をつくとあたしの事を見つめる。
……そんな見られると凄い食べにくいんですけど。
さっきと違って、あたしもちゃんと食べてるし。
ムグって牛丼を頬張りながら視線を逸らすと、緋人がぼそっと言った。
「明日はちゃんと学校行こうな」
「……」
すぐに視線を緋人に戻すと、口角だけ上げて笑っていた。
あたしは小さくコクンと首を縦に振る。