生きることの意味【完結・加筆完了】
「よし。俺が校門まで付いてってやる。だから、安心しろよ?」
「それ、緋人が遅刻するよ?」
「別に俺はいいの。杏奈がちゃんと学校に行けるなら」
そう言って、緋人はニカっと笑った。
本当に、優しいんだから。
今日、サボったから行きにくくなると思って言ってくれてるんだ。
それぐらいわかるよ、緋人。
「だから、明日7時に杏奈の家のマンションまで行くよ」
「わかった」
「寝坊するなよ」
「しないもん」
「何、その“もん”って可愛いんですけど」
「はっ!?」
「その言い方、俺以外にするの禁止ね」
「何言ってんの!」
「ダメって言ったらダメー」
緋人は口を尖らせると、頬を膨らませた。
いや、意味がわからないですから。
本当に。