生きることの意味【完結・加筆完了】
好奇の視線にあたしの方が委縮しちゃうよ。
緋人は全く気にしてないみたいだけど。
そりゃ緋人は見られるのが仕事だもんなあ。
あたしは普通の一般人だから、このまとわりつく様な視線には慣れない。
緋人とずっと一緒にいたら慣れるのかな。
「緋人って目立つよね」
ホームに立ってから、更にこっちを見られる様になったし。
あたしはなるべくその子達を見ない様に緋人にぼやいた。
「まあねえ。結構この緋い髪目立つから」
「うん、目立つ。どうしてその色なの?」
「……ある人に言われたから、かな」
「ある人?」
「そう。赤がいいねって言われて、そこからずっとこの色」
「へえ。それって女の子?」
「まあ。その子は俺の事憶えてないだろうけどね」
「そうなんだ」
チクリと、何故か胸が痛んだ。
きっと、緋人はその子の事が好きだったんだ。