生きることの意味【完結・加筆完了】

そんな場所を、小さな場所と揶揄するあたしが間違ってるのかもしれないけど。
それでも、今日見た光景の数々は今まであたしが生きてた15年がちっぽけだと思わされるには充分だった。



「そこ否定してよ」

「だって、緋人変わってるもん」

「杏奈にそれ言われると凹む」

「本心だし」

「ええ」



口を尖らせた緋人だけど、別に変な人って事は取り消してやらないからね。
行動や言動が、あたしの予想の範疇を超えてるから。


その時、頭上で駅員のアナウンスが流れる。
そこはあたしの降りる駅だ。



「ああ、もう到着か。早いな」

「そういえば、緋人もこの駅なの?」

「そうだよ。俺もここ」

「へえ。今まで気付かなかった」

「俺はちょこちょこ見てたよ」

「は?」



ちょこちょこ見てたって何。

え?
え?



どういう事か問い質そうとしたとこに、ホームに電車が滑り込む。
そして、扉の開閉音で言葉は遮られた。
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