生きることの意味【完結・加筆完了】
あたしのいつも降りる駅に到着して扉が開く。
緋人は「ん」と言いながら手を差し出した。
あたしはその手に自分の手を伸ばす。
一度ぎゅうって握られた後、指を絡めて恋人繋ぎへとチェンジする。
それから、ホームに降り立った。
チラチラとさっきから視線を感じた。
それがどんな視線かは見なくてもわかる。
あたしはすぐそこにある高校の制服。
緋人はもうちょい先の駅にある高校の制服。
ただでさえ、違う場所の制服で目立ってるのに。
更にこの緋色した髪の毛だ。
注目されたっておかしくない。
それはあたしにでなく、緋人に。
緋人を見てからあたしにやっと視線が移る。
そして、思う。こいつは誰だって。
「杏奈と比べたら、他の女の子って皆カボチャだな」
「……は?」