生きることの意味【完結・加筆完了】
「って思ってたら、視線とか気にならなくない?」
「あ」
緋人はそう言うと、あたしの事を見てにっこりと笑った。
ホームに降りた時からきっと、あたしの顔は強張っていた筈だ。
ここに降りるのは怖かった。
それに学校に行くのはもっと怖かった。
平気なフリしてたけど、緋人にはバレてたんだ。
「うん」
「へのへのもへじだよ?皆メイク同じだし、そういう風に見えるよね」
「見えないよ」
「そうかな」
「そうだよ」
おかしいなって首を傾げる緋人に、自然と笑みが零れる。
どこまでもあたしの事を考えてくれてる。本当に優しい。