生きることの意味【完結・加筆完了】
一通り話終えた後、彼が起き上がってあたしの顔を見る。
「で…。
あーーーーー!!!」
「えええ!?な、何?!」
急にどでかい声を出したかと思えば、射抜くようにあたしを見た。
「名前!」
「…は?」
「名前聞いてねえし!」
ああ、そんなこと…。
何か起きたのかと思ったじゃないか。
今、死ななかったけどさ、絶対あたしの寿命縮んだよね…。
「あたしは杏奈」
「杏奈、ね」
「うん、そっちは?」
「緋人」
「ひの、と?」
「そ、緋人」
あたしが名前を繰り返し呟くと、満足そうに緋人は笑う。
「杏奈、やっぱり俺の彼女になる?」
「……いや、あの…」
「見返したくね?」
「え?」
「そいつら見返してやりたくね?」