生きることの意味【完結・加筆完了】
「おはよう」
あたしはなるべく満面の笑顔を作ってそう声をかけた。
三人はあたしだと最初気付かなかったからか、「おはよう」と途中まで言いかけてやめた。
「……」
さっきまでワイワイしてたのに、一転して重い空気が流れる。
そんな空気をぶち破る様に口を開いた。
「皆にも紹介しておくね。なんか、男子と帰ってただけで色々勘違いさせちゃったみたいだし。
あたしの彼氏。緋人」
そうやって、緋人を紹介した。
もちろん手は繋いだまま。
緋人は三人を見ると、ニヤリと笑う。
「どうも」
三人は突然の彼氏紹介に驚いていた。
それにあの、緋人だ。
あたしは緋人を知らなかったけど、確実に彩加は知っていると思う。
ミーハーだから。
「え。緋人って?もしかして」
あたしにでなく、緋人に話しかける彩加。
やっぱり知ってた。
「うん、ANNEモデルしてるよ」
「嘘!やっぱり!」
「知っててくれたんだ」
「知ってます!ねえ、南津子、香奈」
「うん!」
「え?あ、うん」
南津子は知ってる様子だったが、香奈は知らなそうで曖昧な笑顔で頷いていた。