生きることの意味【完結・加筆完了】


「杏奈の友達?」


緋人は張り付けた笑顔のまま、三人にそう問いかけた。
三人は一瞬黙ったけど、すぐに彩加が満面の笑みを向けて答える。


「はい!友達です!」

「ありがとう。これからも杏奈と仲良くしてやって」

「はい!ねっ。杏奈!」



白々しい笑顔こっちに向けるな。
昨日まであたしを虐めて楽しんでたくせに。

コロっと態度変えて、意味不明。


ぐっと奥歯を噛み締めた時だ。



「なーんて言うと思ったかよ」



そんな声が隣から聞こえて、あたしは目を見開いたまま緋人を見上げた。



「金輪際、杏奈に関わらないでくれる?
俺の杏奈に何かしたら、まじで許さないから」


薄らとその顔に笑みを作った緋人はあたしの首に腕を回すと、三人に威嚇する様に言った。
絶句してる三人に軽蔑の眼差しを向ける緋人は怖い。
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