生きることの意味【完結・加筆完了】
「そういうのは俺が考えるから。
だから、杏奈は生きててくれればいいよ」
「緋人…」
「俺が好きなんだから、自信持ってよ。
杏奈が世界中の人間に嫌われても、俺だけは嫌いにならない」
何で。そんな言葉をくれるんだろう。
あたしには勿体なさすぎる言葉なのに。
緋人には全然相応しくないのに。
「なんて、格好つけてるけど俺は杏奈以外どうでもいいって事。
すっげえ冷たい人間なんだよね」
ははって緋人は笑っていたけど。
あたしはぶんぶんって首を振って否定した。
緋人のどこが冷たいんだろう。
こんなにも優しさで満ち溢れているのに。
あたしのが余程冷たい。
さっきの三人を見て、ザマアミロって思ったんだ。
緋人があたしを守る為に言ってくれた事だったのに。
自分が恥ずかしくなる。
緋人は今のあたしでもいいって言ってくれるだろうけど、相応しくなりたい。
並んで歩いても自信を持てるように。
昨日もそう思ったけど、その気持ちは更に強くなった。