生きることの意味【完結・加筆完了】


「まさかさ、緋人と杏奈が付き合ってるだなんて思わなかった!
凄くない?友達として超自慢!って思っちゃった!」



手を合わせて、きゃっきゃっと笑ってる彩加。


……友達?
あたしと、誰が友達?



「あたしとあんたは友達じゃないけど」



そう、ハッキリと目を見て言った。

一瞬、彩加の動きが止まるけどすぐにあたしの手を取ると首を傾げる。



「え?まさか、今までの事怒ってるの?
ごめんね?もうしないからさ」

「……」


ぎゅって握られた手が、うざったい。
後ろにちらっと視線を向けると、南津子は笑顔だったけど、香奈は顔を俯かせていた。



「また、仲良くしよ?」



調子が良い。
緋人と付き合ってるってわかった瞬間、手の平返した様なこの態度。


あたしは冷めた目で三人を見つめた。
さっきまで何をされるかってビクビクしてたけど、もう違う。

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