生きることの意味【完結・加筆完了】


「俺、今日テレビの打ち合わせ入ってるから駅までで悪いけど送る」

「うん、大丈夫」



昨日言ってたもんね。
どんな事話すんだろうか。



「土日仕事だけど、時間見付けて杏奈に会いに行くから」

「無理しなくていいよ」

「どうせ家にいるだろ?」

「何それ。人を暇人みたいに」

「だって、暇人だろ」

「そうだけど」


何も言い返せない。確かに事実だ。
いじめられてから、毎日暇しているし。



「でも、これからは友達と遊ぶし」

「遊んでもいいけど、俺の事も構えよ?」

「あはは。何それ」

「だって、俺彼氏だし」

「そうだね」

「あ、もう到着。はええな」

「本当だ」



緋人と話していると、時間はあっという間だ。
どうしてだろうか。


学校で一人でいる時は、一分一分があんなに苦痛だったのに。
……楽しいからだってのはわかってるけど。

< 168 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop