生きることの意味【完結・加筆完了】
「…自信持てって」
「え?」
突然、降って来たその言葉に顔を上げた。
「死ねる覚悟あるんだったら、何でも出来るんだよ。
明日、虐めた奴らに逆らうことも。
死ぬより、簡単だぜ?」
「そ、そんな簡単じゃないから死のうとしたんじゃない!」
「実際、逆らったわけ?」
「……し、してない」
「だろ?」
「でも」
「じゃあ、やっぱ死ぬ?」
「!!!!」
胸にぐさっと、その言葉が突き刺さる。
わかってたんだって。
言いワケばかりで。
自分を出せなくて。
悔しい思いと、恐怖が絡まり合う。
何か、言い返したい。
そう、強く思うのに。
いざ、囲まれると言葉すら出ない。
人形のように、ただ、突っ立って罵倒されるのを聞くだけ。
虐めは、人格をも変える凶器だと、そう思う。
勇気。
そんなもん、あったらとっくに使ってる。
……何も、言い返せずあたしは奥歯をぎりぎり噛みしめるだけだった。
緋人は立ちあがって、お尻についた砂を払うとあたしを見下ろす。