生きることの意味【完結・加筆完了】
まだ、“友達”そんな浅はかな思いを自分が持ってるってことを。
どこか、捨てきれない希望を。
緋人に言われて、はっきりと明確に突きつけられたような。
そんな気がした。
彼女達は友達でもなんでもなく。
ただ、あたしの敵なんだと。
今まで誰にも聞けなくて、もやもやとしてたことを光に照らしだしてくれた。
緋、の光に。
星空を仰ぐ彼に。
「ねえ」
振り向いて、月明りに照らされて。
真っ赤に、真紅に、緋色に、燃えるその髪の毛を揺らせて。
「緋人と付き合ったら見返せるの?」
顔が、あまり見えなかったけど。
笑っているような気がした。
「ああ、見返せるよ」
何で、そんな自信満々なんだろう。
そんなに付き合うことにメリットあって。
自慢できることなんだろうか。
あたしにゆっくりと近付くと、腰を曲げてあたしに手を差し出す。
「よろしくね、俺の彼女さん」
柔らかく、口許は孤を描いていた。
その手を取って、あたしは生まれ変わることを誓った。